いきものブログ

生物や科学関係の記事を気ままに載せます。特に近年大きく変わっているもの中心。

大量絶滅について

昔の知識とだいぶ異なるようなので、メモしておく。
なお主な出典元はこちら。
大量絶滅 - Wikipedia

大量絶滅の回数

過去に五回あったとされていたが、今はもっと多いっぽい。なお現在進行系のものは除く。

大量絶滅の名称と時期

冥王代〜始生代(原始生代)

後期重爆撃期により、初期生物に大量絶滅を起こした。

なお、後期重爆撃期については以下。
後期重爆撃期 - Wikipedia

後期重爆撃期(こうきじゅうばくげきき、英語:Late Heavy Bombardment, lunar cataclysm, LHBとも)とは、天文学・地球惑星科学において41億年前から38億年前の期間を指す言葉である。ここで言う「後期」とは星間物質の集積(衝突)による惑星の誕生・成長(en:planetary accretion)の時期を前期とし、惑星形成後の衝突を示したものである。
この時代には月に多くの隕石衝突によるクレーターが形成され、地球・水星・金星・火星といった岩石惑星も多くの天体衝突を受けたと考えられている。後期重爆撃期の主な証拠は月の石の年代測定から得られたもので、天体衝突に由来する月面の溶融岩石の大部分がこの短い期間に作られたと示されている。

原生代 (酸素や全球凍結による微生物絶滅)

シアノバクテリア他の酸素発生型光合成細菌による大量の酸素供給が、在来偏性嫌気性原核生物の多くを大量絶滅させ、併せてもたらされた二酸化炭素・メタン等の温室効果ガスの減少で発生するようになった、スノーボールアース(全球凍結)も大量絶滅を起こした。

  • この時代の生物は二酸化炭素を取り込み酸素を吐き出す方がずっと多かった。
  • 現代地球では二酸化炭素削減を叫んでいるが、実は(以下略

原生代末

V-C境界と呼ばれ、最近の研究で大量絶滅があったことが判明しつつある。下に述べる古生代末の大量絶滅(P-T境界)と同じく、超大陸の形成と分裂が原因と推定されている事件。ゴンドワナと呼ばれている超大陸が形成・分裂した時期に相当する。超大陸の分裂に際してはスーパープルームが地上まで上昇してきて非常に大規模な火山活動が起こり、地球表面の環境が激変するため、大量絶滅が起こると考えられている。

原生代のエディアカラン紀にはエディアカラ生物群[注釈 3]が存在していた。この生物群はオーストラリアのエディアカラで多数の化石が発見されたことから命名されたが、生物体は全て軟組織でできており、体表を保護する硬い骨格を有していなかった。エディアカラ生物群は約5億4500万年前のV-C境界を境にほとんど見つからなくなるが、以後三葉虫のような硬骨格を有する生物が出現する。

  • 現代でも水辺には多くの生態系が作られるし、その川が突然失われたらたくさんの生物が死ぬ。

オルドビス紀末 (三葉虫等の絶滅)

古生代オルドビス紀末(約4億4400万年前)に大量絶滅が発生し、それまで繁栄していた三葉虫、腕足類、ウミリンゴ、サンゴ類、筆石、コノドントの大半が絶滅した。当時生息していた全ての生物種の85%が絶滅したと考えられている[注釈 4]。

この時期、大陸は南極域にあり、短い期間であるが大陸氷河が発達した。絶滅は、氷床の発達に伴う海水準の低下時及び氷河の消滅に伴う海水準の上昇時の2回確認されているが、海水準の変動をもたらした環境の変化と大量絶滅との関係は不明である[2]。

デボン紀後期 (海生生物の多くが絶滅)

古生代デボン紀後期のフラスニアン期(英語版)とファメニアン期(英語版)の境に当たるF-F境界(約3億7400万年前)には、ダンクルオステウスなどの板皮類[注釈 5]や甲冑魚をはじめとした多くの海生生物が絶滅している。全ての生物種の82%が絶滅したと考えられている。

腕足類や魚類のデータから、高緯度より低緯度の、淡水域より海水域において絶滅率が高いことが判明している。

この時期の環境の変化として、寒冷化と海洋無酸素事変の発生が知られている。酸素及び炭素同位体比のデータは、2度の寒冷化及び有機物の堆積及び大気中の二酸化炭素の減少を示しており、これは、海水準の上昇及び大量絶滅と同時に起こっている。また、海水中のストロンチウム同位体比の変動は、大陸風化の増加(気温の上昇)を示している。ベルギー及び中国南部のF/F境界層から、小天体衝突の証拠となるスフェルールが報告されているものの、大量絶滅との関連はわかっていない[2]。

ペルム紀末 (地球の歴史上最大の絶滅)

いわゆる「P-T境界」

古生代後期のペルム紀末、P-T境界(約2億5100万年前)に地球の歴史上最大の大量絶滅がおこった。海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅した。すでに絶滅に近い状態まで数を減らしていた三葉虫はこのときに、とどめをさされる形で絶滅した。

原因にはいくつかの仮説がある。

  • 全世界規模で海岸線が後退した痕跡がみられ、これにより食物連鎖のバランスが崩れ、大量絶滅を引き起こした説
  • 巨大なマントルの上昇流である「スーパープルーム」によって発生した大規模な火山活動が、大量絶滅の原因になったという説
    • 超大陸であるパンゲア大陸の形成が、スーパープルームを引き起こしたとされる。
    • シベリアにはシベリア・トラップと呼ばれる火山岩が広い範囲に残されており、これが当時の火山活動の痕跡と考えられている。
    • 火山活動で発生した大量の二酸化炭素温室効果による気温の上昇を引き起こした。これによって深海のメタンハイドレートが大量に気化し、さらに温室効果が促進されるという悪循環が発生し、環境が激変したと考えられる。
    • また大気中に放出されたメタンと酸素が化学反応を起こし酸素濃度が著しく低下した。このことも大量絶滅の重要な要因となった。

古生代に繁栄した単弓類(哺乳類型爬虫類)はこの際に多くが死に絶え、この時代を生き延びて三畳紀に繁栄した主竜類の中で、気嚢により低酸素環境への適応度を先に身につけていた恐竜が後の時代に繁栄していく基礎となったとされる。

なお、単弓類の中で横隔膜を生じて腹式呼吸を身につけたグループは低酸素時代の危機を乗り越え、哺乳類の先祖となった。

三畳紀末 (アンモナイトや爬虫類等の多くが絶滅)

中生代三畳紀末(約1億9960万年前)に大量絶滅が起きアンモナイトの多くの種が絶滅してしまった。また、爬虫類や単弓類も大型動物を中心に多くの系統が絶え、当時はまだ比較的小型だった恐竜が以降、急速に発展していく。全ての生物種の76%が絶滅したと考えられている。

絶滅の原因として考えられる要因は以下。

  • 中央大西洋マグマ分布域(Central Atlantic Magmatic Province)における火山活動との関連が有力視されている。
  • 絶滅の原因をカナダにあるマニクアガン・クレーターを作り出した隕石の衝突と見る説もある。
    • 岐阜県坂祝町にある木曽川の河床と大分県津久見市でこのクレーターが作られた時期である約2億1500万年前の地層から、白金族元素であるオスミウムが通常の20倍から5000倍の濃度で見つかった。
    • 白金族元素は地殻にはほとんどないが隕石には豊富に含まれており、隕石の衝突で広範囲にばらまかれたと考えられている。
    • この考え方は、後述する白亜紀末の大量絶滅と共通した考え方である。

白亜紀末 (恐竜絶滅)

  • 詳細は「K-Pg境界」を参照
  • 三畳紀後期からジュラ紀、そして白亜紀まで繁栄していた恐竜は、現生鳥類につながる種を除いて約6550万年前に突如、数日間のうちに絶滅した
    • 翼竜、首長竜[注釈 6]、モササウルス類、アンモナイトが完全に絶滅したのもこの時期である。全ての生物種の70%が絶滅したと考えられている。
    • ただしアラモサウルスなどのごく一部の属は、生き延びていた可能性があることが化石によって示唆されている。

その原因については諸説ある。

  • 現在は直径約10〜15キロメートルの小惑星[15]が地球に衝突したからとする説(隕石説)が最も有力である。
    • それにより発生した火災と衝突の衝撃で巻き上げられた塵埃が太陽の光を遮ることで、全地球規模の気温低下を引き起こし、大量絶滅につながったとされる。--- ユカタン半島で発見されたチクシュルーブ・クレーターがその隕石の落下の跡と考えられている。
    • 白亜紀とそれにつづく古第三紀の地層の境界は、全世界的に共通して分布する薄い粘土層によって規定される。この粘土層(K-Pg境界)からは、全世界的に高濃度のイリジウムが検出されている。
    • イリジウムは地表では希少な元素である反面、隕石には多く含まれていることから、K-Pg境界のイリジウムは地球に衝突した隕石によって全世界にばらまかれたと考えられ、これが隕石説の最初の有力な証拠とされた。
    • 後に、同じ層からは、衝撃に伴う高圧環境の発生を示す衝撃石英(Shocked Quartz)やダイヤモンド、大規模な火災が発生したことを示す「すす」も見つかっており、これらの証拠によって、隕石説は検証され補強された
    • ただしイリジウムに関しては、衝突時の衝撃でめくり上げられた地殻深部由来であると考える説もある。