いきものブログ

生物や科学関係の記事を気ままに載せます。特に近年大きく変わっているもの中心。

昔、恐竜はトカゲだった。今は鳥である。でも不思議はないよね?

そもそもどうして『恐竜』っていうのか?

恐竜を意味する英語の dinosaur って言葉は、もともとギリシャ語の「恐ろしい + トカゲ」から作られた。つまり恐竜とは「おそろしいトカゲ」の直訳だったわけで、これは昭和世代のおっさんたちが子供の頃読んだ本にもそう書かれていた。変温動物で動きが遅く、だけど力強くておそろしい存在。要はゴジラ的なものというか、ゴジラ自体がそういう「でかくてトロい恐竜」の設定から生まれていた。

ところが近年の調査で、これが間違いらしいことがわかってきた。

つまり恐竜は鳥の先祖ということがわかってきたんだな。

ただこの「恐竜実は鳥だった事件」は、個人的には「へええ」と思ったけど、でも不思議ではない。むしろ納得した感が強い。理由をちょっと書こうと思う。

鳥に類似した形態や生活史

昔から恐竜について調べると、あらゆる点に鳥っぽさが溢れていたんだよね。

たとえば営巣。恐竜の巣といわれる痕跡も、そこから推測されていた復元図も、どれもこれも鳥の巣に酷似していたのは偶然なのか?

たとえば骨盤。結論からいうと鳥そっくりの骨盤をもつ鳥盤類は鳥の先祖ではないのだけど(現在、鳥の先祖と言われているのは竜盤類の獣脚目である)、しかし鳥に似た構造をもつ恐竜がかなりの数いたらしいこと。

たとえば羽毛。恐竜の中から鳥が生まれただろうってことは、現世の鳥にウロコをもつ種がいることでも確かだろうとは言われていた。でもじゃあ、いったい歴史のどの時点で鳥は羽毛を獲得したの?って事ですな。

これらの点は子供時代の僕には謎だらけだった。特に恐竜の鳥っぽさは「なんでこんなに鳥っぽいの?」だった。その疑問が近代になって解けたわけで「そうだったのかぁ」とむしろ納得である。

  • 鳥の先祖だから恒温動物だった。
  • 鳥の先祖だから鳥タイプの営巣をした。
  • 鳥が獣毛でなく羽毛をもつのは、恐竜から引き継いだから。

なんてこったい。めちゃめちゃ合理的じゃないか。

走るに適した足

ちなみに、爬虫類一般と恐竜を分ける大きな違いのひとつに「獣っぽい脚」がある。つまり恐竜は、トカゲのように「のたくる」歩行をせず、犬や猫のように走りに適した足を持っていた
これもまた、鳥と共通でしょう?「のたくる」鳥なんていないよね?