いきものブログ

生物や科学関係の記事を気ままに載せます。特に近年大きく変わっているもの中心。

サバクキンモグラはモグラではない

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サバクキンモグラって動物がいる。
目がないモグラで、まるで動くきなこもちみたいな動物なんだけど。

でもサバクキンモグラモグラじゃない。
ガリネズミの仲間なのだ。

名付けの由来が異なっているのが原因

動物の世界にはよくある事だけど、単に○○に似ているとかそういう理由でつけられた名前がある……極端なところを言えば『竜宮の遣い』みたいな極端な名前もあるけど、たとえば『ウミヘビ』という名前の魚がいたりするあたりもいい例だろう。

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日本語で『ウミヘビ科』とつく動物の分類は2つある。

  • 爬虫類有鱗目ウミヘビ科
  • 魚類ウナギ目ウミヘビ科

有鱗目って事はヘビやトカゲの仲間ではあるのですな。
魚類の方もウナギに近い仲間といえば「あー」と思うのでは?

つまり歴史的事情でウミヘビと呼ばれている魚がいるわけですな……。
こういう呼称は昔の動物にはよくあって、たとえば昔の日本では狸・猫・ハクビシンあたりが混同されたりひとっからげに『狸→里の獣という意味』で描写されていたりしていたわけで。

もちろん全く別の動物なんだけど、それは視点が違うから。
里の獣というのは民俗学的視点で、それは動物学的分類とは異なるわけですな。
だからこそ魚にウミヘビとついてたり、クジラが魚でないと知りつつも魚扱いだったりするわけですな。

『ネコ』に『猫』つまり苗という字がついているのだって、ネズミ退治をさせて「作物を守る獣」とされたわけで、むしろ呼称の「ネコ→寝子」つまりよく寝る子って言い方の方が動物学的実態をよく現しているわけです。

分類が変わったケースもあります。

他にはレッサーパンダジャイアントパンダのように、色々と絡み合った面倒なケースもあります。

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実は「パンダ」というと今はジャイアントパンダをさすけど、歴史的に言うとパンダと呼ばれたのはレッサーパンダなわけで、あとで「でけーパンダ」という意味で「ジャイアントパンダ」が命名された経緯がある。

しかも、しかもだ。
こいつら中国語でも熊猫だし世界的にもパンダで一緒くたなのに、実は全然別の動物なんですよね……。
2021年現在だとパンダは食肉目クマ科ジャイアントパンダ属、レッサーパンダは食肉目レッサーパンダ科と所属が違うわけで。
(ちなみにジャイアントパンダはアライグマ科やクマ科あたりをフラフラしてきた歴史的経緯もある)

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おもしろいですね。